肩甲帯バランスアップ2 ~シュラッグ アームリフト~

    今回は僧帽筋上部繊維・下部線維をメインに鍛えるためのエクササイズを紹介します。


    しかし、前回のエクササイズも含め、より理解を深めるために肩甲骨の動きに関する機能解剖を少し紹介しておきます。


    【 最低限知っておきたい「胸郭⇔肩甲骨」をつなぐ筋の機能解剖 】

    僧帽筋は上部,中部,下部の線維があり、上部線維は挙上,下部線維は下制を内転と同時に行います。
    肩関節屈曲/外転において肩甲骨の挙上が不足している場合には、僧帽筋上部線維の活動が不十分である可能性があります。

    肩甲挙筋は肩甲骨を内転/下方回旋を行います。
    この筋は第1~4頸椎の横突起に付着しており、頸椎の回旋を制限しております。
    肩甲骨には上角に付着しているので、短縮すると肩峰部は挙上しないで上角部だけが挙上されます。
    僧帽筋とは回旋動作(上方回旋・下方回旋)で拮抗筋となります。

    菱形筋は肩甲骨を内転/下方回旋を行います。
    肩甲挙筋と類似しており、僧帽筋とも共同と拮抗の作用をもち合わせています。
    この筋は僧帽筋よりも優位に活動しやすいため、優位過多になると肩甲骨の上方回旋を妨げる可能性があります。

    前鋸筋は肩甲骨の外転/上方回旋を行います。
    前鋸筋は肩甲帯の主要な外転筋であり、この筋による肩甲帯の制御が不十分な場合には、可動域障害の原因となります。
    上腕骨の動きに対する肩甲骨の運動タイミング不良は、僧帽筋の問題と前鋸筋の問題とを識別することが大切です。
    どちらも上方回旋筋ですが、内転と外転では拮抗筋になるので、これらの動作に注意すると識別することができます。

    小胸筋は烏口突起を前方/尾側に傾けることによって肩甲骨を前方に傾斜させます。
    したがって小胸筋が短縮すると下角は内側に回旋し、肩甲骨の上方回旋は妨げられることになります。
    関連する因子としては、腹筋の短縮や硬化によって胸郭の挙上が制限される場合、その上方回旋の制限はさらに増悪します。




    えーと、ちょっと小難しい説明になったかもしれませんが、とりあえず最低限これらの筋に関しての知識は必要になりますので、是非お手持ちの機能解剖の本で調べてみてください。


    それでは本日のエクササイズ紹介です。

    【シュラッグ アームリフト】
    ミリタリーシュラッグ
    ■エクササイズ
    ①座位や立位にて体幹のニュートラルをキープ。
     インナーユニットの収縮は保ちます。
    ②胸骨柄を胸椎3番レベルまできちんと引き上げてキープ。
    ③体幹の安定を保ちつつ、肩甲骨ニュートラル。上肢を挙上位(肩関節屈曲180度)でキープします。
    ④肩甲骨を上方回旋位に保ったまま、肩を耳の後方にすくめて、降ろす(挙上・下制)を繰り返します。


    ■ポイント
    このエクササイズは、僧帽筋上部線維・下部線維のコントロールを目的とします。

    僧帽筋上部線維の機能解剖は
    ■挙上・内転・上方回旋 です。

    僧帽筋下部線維の機能解剖は
    ■下制・内転・上方回旋 です。

    ただし、上方回旋時は「前鋸筋」の働きにより、外転方向にも肩甲骨が引っ張られますので、エクササイズを内転位でおこなう必要はありません。

    これらの機能解剖を意識して肩甲骨の動きをコントロールします。


    ■アドバイス
    代償運動などのエラーパターンとして、以下の動きがよくでます。

    上肢の屈曲180度が保てない。
    ⇒広背筋が固い
    ⇒小胸筋が固い
    ⇒僧帽筋上部が弱い
    ⇒僧帽筋下部が弱い
    ⇒前鋸筋が固い・弱い

    などが考えられます。

    このエクササイズをやっていると、10回くらい挙上⇔下制を反復すると、
    多くの人が腕が頭より前に出てきます。

    やはり肩甲骨周りの筋バランスが崩れているためなので、
    きついですが、
    ・腕の位置をキープしたまま、
    ・肩甲骨が背骨から指3本分くらいの間を保ったまま、
    エクササイズを行うようにしてください。



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